丁寧に生きるって、けっこう難しいものです

私の主婦業も、十数年

新米以上、ベテラン未満 というところでしょうか。

料理は好きなんですけど、掃除は苦手です。

主人の母はとにかくきれい好きで

初めてお宅に伺ったときに「ヤバイ」と思ったほどです。

幸い主人はそこまできれい好きでもなかったので(本心は怖くて聞きません)

なんとかなっています。

 

先日その母と話していたら、きれい好きの理由が判明

母の父がすごくうるさかったそうです。

「男の癖に細かいんだから!」と思ったと話していました。

以外と思われるかもしれませんが

昭和ヒトケタの男の人は、掃除にうるさい人が多かったかもしれません。

うちの父もそうでした。

幸田文さんの随筆の中に、

お父さんの幸田露伴氏に掃除を仕込まれたエピソードがあります。

家庭の事情で露伴氏に仕込まれたようですが

私もふすまと敷居の間の箒のかけ方を注意された記憶があり

読んでいてうちと同じだと驚きました。

残念ながら私の場合は、父の努力は報われていません。

お父さんごめんなさい。

 

洗濯は今は洗濯機が上手に洗ってくれますので

私がやるのはアイロンかけ。

愛用のアイロンは、今から30年くらい前に購入した

当時は珍しかったコードレス式です。

社会人向けの講座に通っていた早稲田大学の近くのお店で見つけて

少し高いと思いつつ、便利そうなので購入しました。

当時住んでいた飯田橋まで、重いなぁとおもいながら

抱えて歩いて帰宅しました。

まさかこんなに長く一緒にいることになるとは…

あの頃の家電は、本当に長持ちです。

 

家事の中で一番好きなのは料理です。

自分でやらないと誰もやってくれない、という理由はおいておいて。

疲れていても料理をしているうちに元気になることもあります。

私の父は料理人になりたくて修業もしたようですが

太平洋戦争で方向転換せざるを得なかったそうです。

そんな訳で、我が家で一番のおもてなしは

父が料理をふるまうことでした。

母の母が泊まりに来ると、最後の晩ごはんは父の担当で

私たちも楽しみでした。

怖い一面がある父も、料理をしているときはご機嫌で

そんな父を見て私も料理が好きになったのかもしれません。

褒められたことはありませんでしたけれど。

 

家事も含めて日常のこまごましたことは

気が付くとルーティンのようになりがちです。

一つのことをやりながら次の段取りを考えるのは

当たり前のことです。

でも、気が付くとおざなりになってしまうことがあります。

調子が悪い時、職場で嫌なことがあった時

理由は様々です。

先日、

「日々を丁寧に生きることの積み重ねでしか、豊かな人生は築かれない」

という内容の対談を聞きました。

梅雨明けから厳しくなり始めた暑さ

テレビをつければコロナの感染者や社会情勢の低迷と

気分があがるニュースを探すのが難しい今

どうしても一つ一つをおろそかにしてしまいがちです。

それでも、こんな時だからこそ丁寧に生きたほうが

結果、心が穏やかになるんだった!

と思い出させてくれました。

窓から入ってくる風に癒されながら

いつもより丁寧にアイロンかけをしました。

少し、気持ちが良いものです。

丁寧に、丁寧に

おまじないにならないように、実践しなくては。

 

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長いお付き合いになりました