考える って…

季節は進んで今日は中秋の名月ですが、あいにく我が家の周りは雲が多くて月を眺めることはできませんでした。月を探して家の周りを10分くらい歩いたんですけれど。

私たちがここに住み始めたころは一軒家が多くて空もそれなりに大きかったんですが、低層マンションが増えて、空は本当に幾何学模様のようになり、月を探すのも一苦労です。

 

先週は不思議な一週間でした。思いがけず哲学者三人の方の対談を聞く機会を得ました。哲学と言っても、アリストテレスが何を言ったとか、ニーチェがどうしたという話ではなくて、哲学的思考について、多角的にしかもわかりやすく話してくださっていて、哲学研究者のイメージが変わりました。

三人の方が話していたのは「これからの幸せ」についてです。話を聞きながら、これまでは誰かが決めていた幸せを大衆が求めていたけれど、これからは自分にとっての幸せを一人一人が考える時代に変わったのかなぁと感じました。でもこれ、大変だと思う人が多いようで、「幸せのパッケージ販売」が商売になっているそうです。

えっ?って一瞬思いましたが、「これであなたも幸せになれる」というキャッチコピーで売られているのが「幸せのパッケージ」だと考えると、目にすることは結構あります。

私は二回目の東京オリンピックを迎えた世代の若い方なので、高度成長期の賑わいやみんなが同じでいることに価値を見出していた時代感を覚えています。それからバブルがはじけて低成長期に入り、上向きかけた時のコロナ騒動。不安な時代だから何かを求めるためなのか、SNSをはじめ私たちは情報の海にアップアップしています。

声の大きな誰かの方に流され、もっと大きな声に流され、軸を持つことができません。こんな時代だからこそ、考える力を磨くことが大切だと本当に思います。自分が正しいと思っていることに疑問を持つ、当たり前の前提に流されずに自分がどう思うのか、自分に聞いてみる。

難しいことではありません。些細なことならできているんです。今日のランチを選ぶとき、ちゃんと考えてきめてませんか?そんな感覚を広げて、もう少し大きなことを時間を割いて面倒くさがらず自分で自分に聞いていみる。

そんな些細なことの積み重ねが、考える力を強くしてくれるのではないでしょうか。正解に近づくとか正解があるという考えを一度横に置いて、私はどう考えているのか、自分に問いかける。

秋の夜長、そんな時間を持つのも悪くないですよ。

 

哲学者の対談を聞くには下記にアクセスしてください。無料ですんごい話が聞けます(私はそう思いました)。食わず嫌いはもったいないですよ。

登場してくれたのはこちらの三人

苫野一徳(とまのいっとく)さん
西條剛央(さいじょうたけお)さん
星友啓(ほしともひろ)さん

興味のある方はこちらから登録すると聞くことができます。いつまでアクセスできるかわかりませんのであしからず。

3人の哲学者による「幸せ」の哲学ゼミ
https://note.com/stonline/n/ncca8a0850857