自分の足に合った靴

私の好きな作家に須賀敦子さんがいます。
彼女はイタリア文学の翻訳やエッセイを多く発表し
すでに故人ですが、コアなファンはたくさんいらっしゃいます。
私も折に触れ繰り返し読んでいて
文庫本の表紙は結構ヨレヨレです(笑)

須賀さんの言葉で好きなものはいくつもありますが
その一つに
「きっちり足に合った靴さえあれば、じぶんはどこまでも歩いていけるはずだ。(ユルスナールの靴)」
があります。
この続きには、「自分はそれが見つけられずにここまで来てしまった」
という趣旨の文章が続きます。
私がこの作家を知ったのは30代のころだと思います。
亡くなった父と同じ年に生まれたこの女性が
読んだ当時の私と同じ悩みを持ち
外貨持ち出しに制限のある不便な時代
海外へ自分を見つめる旅へと向かう行動力に
驚きとあこがれを持ちました。

私は自分に合った靴を探し続けてここまで来てしまいました。
片方見つけられた気になったり、なくしたり
ということは、まだ見つけられていないということで…

昨日、我が家のストックが心もとなくなったので
家族と待ち合わせて買い物に出かけました。
待ち合わせ時間が気になって、慌てていたせいもあり
少し緩い靴で家を出て、すぐにしまったと思ったのですが
まぁいいか、とそのまま桜を見ながら
途中から足の裏に少しの痛みを感じつつ急ぎ足で30分ほど。
お米にじゃがいも、玉ねぎにキャベツetc
パッキンがうまくいかずに腰に玉ねぎが当たるのを我慢しつつ帰宅。
足の裏を見るとうっすら水膨れ。

心構えの前に、合う靴を履けよ!!
っと突っ込んだのです。
いい年して、いやになるなぁ。

こういう日々の生活を丁寧にすることが

一番の近道なのかも知れません。

 

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パレットのように色とりどりです