自分の知識に疑いの目をもつことの大切さ
街中至る所で桜が満開です。
駅前の主役もソメイヨシノに変わりました。
既に散った花びらが路面を彩りはじめて…
季節がせっかちになってきて、そのうち卒園式に桜が当たり前になるのでしょうか。
花吹雪の中、入学式の看板の前で撮った記念写真
未来の人が見たら理解に苦しむかもしれません。
自分の知識も常にアップデートしなければならない、そんな時代になっています。
この一ヶ月くらいの間に、本当に驚いた事がありました。
一つ目は、今の教科書には士農工商が載っていないと知ったこと。
近年、歴史の修正には驚くものがあります。鎌倉幕府が開かれた時期、歴史上の偉人の肖像画が実は別人だった etc
士農工商って徳川家康が決めた驚くべき建前だって思っていたんですよ。政治家はいつの時代も変わらないのねぇ位に思ってたのに、いったい何時から載らなくなくなったんでしょうか。
でも、もっと驚いたのは野口英世の偉業が、実は世界の医学史では評価されるものでは無いという事実。日本ではお札の肖像にまでなった人、猪苗代湖畔の記念館でお母様の手紙に涙した高校時代の私。
野口英世が発見したと殆どの日本人が習った病原菌の発見は、黄熱病ではなく既に発見されていた病原菌の一種だったそうです。もちろん野口の研究成果の全てが否定されているわけではありませんし、苦学の人努力の人だったことは間違い無いと思います。
まだ世界で活躍する日本人が今ほどいなかった時代、周りの期待や自身の願望などが複雑に絡みあった結果なのかもしれません。夏目漱石はロンドンで精神を病みましたが、野口は前のめりに進むしかなかったのでしょうか。アフリカ行きも自らの正当性を証明するため、もしくはこれでダメならもう…そんな覚悟をしていたのでしょうか。今となっては解りません。
私たちは白黒をつけたがりますが、自分自身を振り返ってもそんなに単純ではありません。成果が出たことも出なかったことも、善人の部分も性悪な部分も、すべてひっくるめて人は形成されていると思います。野口英世という人の一面を知ったことがすべてを否定することに繋がる訳ではありません。
「不都合な真実」という言葉がありますが、正しい出来事を知ったうえでそれをどう判断するのかは、大げさですが権利だと思います。「不都合な真実」を見逃さないようにアンテナを張っていないと、せっかくの権利を手放すことになる気がします。
面倒くさがらないように心がけないとなりません。
桜の花が思いがけない気づきを与えてくれました。
P.S.
公園の主役はパステルカラーだけではありません。
チューリップもきれいに咲き始めました。